ナカミチのCR-40です。
5年ほど前にモーターやベルト交換などの修理を行ったとのことですが、現在は不動状態です。
電源をONにして少し経った頃、突然メカの辺りから異音が発生しました。キャプスタンに触れると音が消えましたので、グリス切れでしょうか?
動作確認時の状態はというと、操作を受け付けません。
カバーを開けます。
カムモーターに直接電圧を加えましたが、モーターが固まって回転しません。このモーターは、長期間使用しないで置いておくと、こういった状況になることがあります。
メカを降ろします。
点検を進めます。数年前に整備を受けたということですので、心配していたバックテンションベルトは交換済みで問題はありませんでした。
カムモーターユニットを取り外します。モーターシャフトを指で回転させると、回り出しました。シャフトに注油を行い、この状態で一晩放置します。
異音の発生源と思われる箇所にグリスを処置します。
ついでですので、カムモーターユニットのスイッチ接点を磨きます。
メカを元に戻して動作確認を行います。
315Hzの信号が記録されたテープを再生し速度の調整を行います。
再生ヘッドのアジマス調整を行います。
録音ヘッドのアジマス調整を行います。
録再バランス調整を行います。しかし、この最終段階で異状が見られました。
録音時、筐体を持ち上げたり、横にしたりすると、RCHのレベルが変化します。接触不良が疑われますが、VOLやスイッチ類には問題はありませんでした。
不具合が発生しているときに基板を押すと、変化が見られます。
底板を取り外し、拡大鏡を用いて基板面を目視点検します。すると、写真中央のICの端子に半田クラックが見られました。早速再半田を行い、
正常に戻りました。
修理完了です。