AIWA製、3ヘッド・デュアルキャプスタン・カセットデッキ、AD-FF70です。
操作パネルのレイアウトなど、唯一無二の個性的なデザインですが、私は高校時代に下位機種のAD-FF60を所有していましたので、非常に懐かしく感じました。当時4、5年で故障して廃棄しましたが、今思えば、処分しなければ良かったと後悔しています。
カセットをセットしましたが、動作しないどころか閉じ込められてしまいました。
カバーを開けます。この時代の機器は、ケーブルがジャングル状態です。
メカを観察すると、リールモーターのプーリーのところでベルトがスリップしていることがわかりました。指でアシストしてフライホイールを回しトレイを開きました。
メカを降ろすためには、スペースを確保するため、電源スイッチを取り外す必要があります。
メカを取り出しました。ヘッドのコネクタが引き抜きにくい位置にあるため、写真の状態で作業を進めます。
後継モデルのXK-009の基となったメカで、基本的な構造は同じです。
まずはカセットホルダーを切り離します。
ピンチローラーを交換します。同じサイズのものは入手できませんので、多少の加工などが必要となります。
リール台を脱着してグリスアップします。
メカ背面のモータープレートを取り外します。
加水分解によりベルトが伸びきっています。
分解を進めます。
アイドラーユニットを取り外してゴムリングを交換します。
メカ内部のスイッチ2か所の接点を磨きます。
新しいベルトを掛けて組み立てます。
メカを元に戻して動作確認を行います。
スライド式のRECVOLを取り外し、接点復活剤を処置します。もちろん清掃も行いました。
315Hzの信号が記録されたテープを再生し速度の調整を行います。
ヘッドアジマスの調整を行います。
「COMPU BRAIN(バイアス・レベル自動調整)」を作動させた後、録再バランス調整を行います。
テープポジションの異なる複数のテープで録再状況を確認し、修理完了です。