Aurexの3ヘッドカセットデッキ、PC-X88ADです。
20年程電源を入れたことがないということで、点検修理のご依頼です。
この機種は、アイドラーがギヤ式ですので、ピンチローラーの固着やキャプスタンベルトの劣化がなければメンテナンスフリーです。この機体もカウンターが動作しない、スイッチやVOLの接触不良以外は特に問題なく動作します。
カバーを開けました。カウンターベルトが切れています。
メカを固定しているビスを緩めて、隙間からゴムベルトを取り付けます。折長90mmです。
カウンターも正常に動くようになりましたが、ここでオーナー様から、ほかのベルト交換のリクエストが入りましたので、メカの脱着を行います。
フロントパネルを少し手前に引き出して、メカを取り出します。
背面のモータープレートを取り外してキャプスタンベルトのサイズを確認します。径55mmです。在庫が無かったため、注文しました。
入荷しましたので交換します。
ピンチローラーは、13.5mm*9mm*2mmというサイズですが、入手できませんので、
表面を軽く研磨し、専用クリーナーで処理し再利用します。
リールの可動部にグリスアップします。
メカを元に戻して動作確認を行います。
315Hzの信号が記録されたテープを再生し速度の調整を行います。
ヘッドアジマスの調整を行います。
録再バランスは、フロントパネルのツマミで調整します。AXIAのメタルテープ使用時に写真の位置がベストです。
テープポジションの異なる複数のテープで録再状況を確認し、修理完了です。