A&Dの3ヘッドデュアルキャプスタンカセットデッキ、GX-Z7000の修理依頼をいただきました。
4年ほど前にオークションで入手されたということですが、現状は、テープの走行不良、音のふらつき、録再レベル不良などの不具合を抱えています。
リッドを外して再生ボタンを押し、テイクアップ側のリールを指で摘まみます。トルクがほぼありませんので、アイドラーがスリップしています。
カバーを開けてメカを取り出します。
カセットホルダーと化粧パネルを取り外します。
ホルダーには、カセットを押さるためのスプリングが内蔵されていますが、経年により変形しています。デッキを使用しないときは、カセットを取り出しておくと、この状況は予防できます。
脱着して加熱整形します。
ヘッド周りのパーツを分解します。
左写真は接着補修箇所、右写真は固着したピンチローラーアームをペンチなどで無理やり引き抜いたときの傷です。以前修理された方は相当苦労されたようです。
硬化しているピンチローラーを交換します。
リール台とアイドラーを取り外します。
ゴムリングを交換します。硬化してプラスチックのようになっていました。
ゴムリングが接する面を脱脂します。
メカ背面の基板を取り外します。
変わったベルトが取り付けられていました。問題は材質よりもサイズです。かなりユルユルになっていました。これが音のふらつきの原因と思われます。
劣化しているベルトを交換します。
オートセレクタのスイッチ接点を磨きます。
新しいベルトを掛けて組み立てます。
メカを元に戻して動作確認を行います。
ミラーカセットでテープパスを点検します。
315Hzの信号が記録されたテープを再生し速度の点検を行います。
調整を行います。
ヘッドアジマスの調整を行います。
録再バランス調整を行います。
テープポジションの異なる複数のテープで録再状況を確認し、修理完了です。