少し前に当店でカセットデッキを修理された方から、新たなご依頼をいただきました。
最近購入されたという、Aurexの３ヘッドカセットデッキ、PC-X88ADです。再生出力が低い、カウンターが不動などの不具合を抱えています。
少し不安定ですが、テープ走行は可能です。出力不良は、ノイズリダクション切替スイッチの接触不良が原因でしたので、スイッチに接点復活剤を処置します。
カウンターは「000」のまま動きません。カバーを開けると、カウンター用のベルトが無くなっていましたので、後ほど取付を行います。
ヘッドに錆が発生しています。ザラザラしている部分を研磨材で磨きます。
録音を試してみます。RECVOLに接触不良が見られますので、接点復活剤を処置します。
メカを降ろす際、メイン基板と干渉しますので、フロントパネルを若干前方に倒しながら作業を行う必要があります。
右側のリールに溶け切れたベルトが付着しています。溶けたベルトは既に乾いていましたので、簡単に除去できます。
リールを脱着してグリスアップします。
テープテンション用のパッドを交換します。
ピンチローラーを脱着し、表面を軽く研磨して専用クリーナーで処理します。
ヘッドの動きが重くなっていますので、一旦取り外してグリスアップします。
誤消去防止用、カセット検出用のスイッチ接点を磨きます。
背面のモータープレートを取り外し、ベルトを交換します。
新しいカウンターベルトを取り付けます。
315Hzの信号が記録されたテープを再生し速度の調整を行います。
ヘッドアジマスの調整を行います。
再生出力のバランス調整を行います。
メーターのバランスに問題はありません。
テープポジションの異なる複数のテープで録再状況の確認を行います。東芝独自のノイズリダクション「ADRES」の作動状況も確認します。
以上、修理完了です。
