AIWAのEXCELIA XK-009です。
10年以上保管状態にあったということです。
トレイが開かないため、テープが閉じ込められています。
カバーを開けました。
キャプスタンベルトが溶け切れています。このメカはフライホイールの回転力で動作を切り替えますので、ベルトが切れるとトレイすら開かなくなります。
指でフライホイールを回すとトレイが開きます。
電源スイッチが奥に入り込んでいて、グラグラしています。
電源のボタンはクリーム色の細長いバーで電源基板に繋がっていますが、ボタン取り付け部で折れていますので接着修理します。
メカを降ろして、カセットホルダーを取り外します。
リールベルトも溶け切れています。
メカを前方に倒してモータープレートを取り外します。
キャプスタンモーターのプーリーに溶けたベルトが巻き付いていますので清掃します。
分解を進めます。
ようやくアイドラーに到達しました。硬化したゴムリングを交換します。これは早送り巻き戻し用です。
メカ内部の接点を清掃します。
新しベルトを掛けます。折長80mmと73mmです。
左右リールを脱着してグリスアップします。
新しいリールベルトを掛けます。折長82mm前後です。
続いてこの再生用のアイドラーゴムを交換します。
リールモーターを取り外してアイドラーを取り出し、ゴムリングを交換します。ここは滑りやすいのでシリコンゴムタイプを使用します。
メカを組み立てて動作確認を行います。
315Hzの信号が記録されたテープを再生し速度の調整を行います。
アジマスの調整を行います。
キャリブレーション後に録再バランス調整を行います。
テープポジションの異なる複数のテープで録再状況を確認し、修理完了です。