A&Dのフラッグシップモデル、GX-Z9100です。
15年ぶりに使用したところ、故障していたということです。
再生ボタンを押しましたが、ピンチローラーが上がりません。
カバーを開けてメカを取り出します。
テープガイドに破損はありません。
カセットホルダーと化粧パネルを取り外します。
カセットホルダーを分解します。
ホルダー両サイドに内蔵されている樹脂製スプリングが変形しています。
機能回復のため、加熱整形します。
左右のピンチローラーアームが固着して動きません。取り外すとグリスが乾いて白くなっていました。
ピンチローラーを交換します。
ヘッド周りを分解し、古いグリスを拭き取って新たにグリスを処置します。
左右リールとアイドラーを取り外します。
ゴムリングを交換します。
ゴムリングが接する面を脱脂します。
バックテンション用のパッドが脱落しそうですので、貼り直します。
メカ背面の基板を取り外します。
異音を発していたカムモーターと、硬化しているゴムベルトを交換します。
オートセレクタのスイッチ接点を磨きます。
新しいベルトを掛けて組み立てます。
動作OKです。
ミラーカセットを用いてテープの走行状態を目視点検します。
315Hzの信号が記録されたテープを再生し速度の点検を行います。
ヘッドアジマスの調整を行います。
バイアスキャリブレーション後に録再バランス調整を行います。
テープポジションの異なる複数のテープで録再状況を確認し、修理完了です。