AKAIのオートリバースデッキ、GX-F66Rの修理依頼をいただきました。
友人から譲り受けたということです。この頃のAKAIのデッキの修理は、非常に高難度です。
アイドラーがスリップしてリールの回転が弱々しく、再生不可です。また、ピンチローラーアームが固着して上がりません。
カバーを開けます。
すぐそこにアイドラーが見えますが、簡単には交換できません。
フロントパネルを取り外します。
ケーブルが輻輳していますので、電源ユニットを取り外してスペースを確保します。
基板直付けのケーブルが多いため、簡単にはメカを取り出すことはできません。そのため、写真のような窮屈な状況で分解を進めます。初めに背面の基板を取り外します。
つづいて、フライホイールを押さえるパネルを取り外します。
ようやくリールユニットを取り出すことができました。
アイドラーは、リールの中央部に1ケ、両側に各1ケ(ゴムリングは2ケ)ありますので、計5ケすべてを交換します。
ここは自分用の備忘録です。リールユニットを元に戻すときは、ドライバーで示している箇所(先ほどの両側のアイドラーシャフト)の組み合わせに注意が必要です。
新しいベルトを掛けて組み立てます。
ピンチローラーを取り外し、可動部にグリスアップします。また、硬化している表面を研磨し、専用クリーナーで処理します。
315Hzの信号が記録されたテープを再生し、速度の調整を行います。
この機種は、フォワードとリバースそれぞれで再生レベルの調整が可能ですので、テープの裏表で差異が無いよう調整します。
ヘッドアジマスの調整を行います。
録再バランス調整を行います。
テープポジションの異なる複数のテープで録再状況を確認し、修理完了です。