Audiolife - Enjoy your audio life!!

オーディオライフ:カセットデッキ、DATの販売・修理を行っています。故障でお困りの方はご連絡ください。

TC-RX79

SONY TC-RX79 速度低下

投稿日:2023年5月26日 更新日:

SONY製オートリバースカセットデッキ、TC-RX79の修理依頼をいただきました。

1年ほど前に動作品として購入されたという機器です。ご相談いただいたのは2点です。「速度が低下している」「操作キーが反応しないときがある」というものですが、後者は、リモコン操作で問題無く使用できるので、大きな問題ではないとのことです。

再生してみると、聴感ではっきるわかるほどの速度低下が見られました。

315Hzの信号が記録されたテープを再生し速度の点検を行うと、5%弱の狂いがあることがわかりました。

カバーを開けてキャプスタンモーター背面の調整孔にドライバを差し込み調整します。

これでひとまず正常な速度になりましたが、これほどの狂いが発生することは珍しいこと、また、使用されているモーターは、比較的トラブルが多い印象があることなど、このままでは不安が残ります。

もう一点の操作キーの問題ですが、STOPボタンを押すと巻き戻しになるという誤作動がたまに発生します。これは、スイッチの接触不良が原因ですが、症状が軽いことから、キーを強めに数回押すことにより症状は改善されます。

点検を進めます。ピンチローラーがかなり硬化しています。現状では走行に問題は発生していませんが、交換が望ましい状態です。

以上、オーナー様にお知らせし、今回は、キャプスタンモーターとピンチローラー(左右)の交換を行うこととなりました。

メカを降ろします。

ピンチローラーアームを取り外します。ヘッド周りにシリコングリスが多めに塗られていますが、以前修理された時のものと思われます。グリスは、薄く塗るのがセオリーですので、綿棒等でできる限り拭き取ります。

硬化したピンチローラーを交換します。

モータープレートを取り外します。

ベルトも最近交換されたものですが、一回り小さなものが使用されていてきつめでしたので、当店が以前特注したベルトと交換します。

モーターを取り外します。写真ではわかりにくいかもしれませんが、オイルが処置されていてベタベタしています。モーターの不具合を改善しようとした痕跡と思われます。

マブチ製のモーターと交換します。周辺にはオイルが付着していますのでアルコールで拭き取ってから組み付けます。

メカを本体に戻して動作確認を行います。

モーターが十分温まった状態で速度調整を行います。

再生レベル・バランスを調整します。

ヘッドアジマス(FWD)の調整を行います。

REVです。

録再バランス調整を行います。

録音状況なども確認し、修理完了です。

 

-TC-RX79
-,

執筆者:

関連記事

SONY TC-RX79

SONYのクイックリバースカセットデッキ、TC-RX79の修理依頼をいただきました。 イジェクトボタンを押すとモーター音は聞こえますがトレイが開きません。また、他の操作ボタンも受け付けません。 カバー …

SONY TC-RX79

SONY製オートリバースカセットデッキ、TC-RX79の修理依頼をいただきました。 20年以上保管状態にあったということです。 操作を受け付けません。 カバーを開けます。 トレイのロックを解除してリッ …

検索

2023年5月
« 4月   6月 »
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293031  

住所
066-0038
北海道千歳市信濃3丁目11-1-1
Audiolife 代表:小西隆幸
050-3717-0768(留守電専用です。トラブル防止のため、緊急時以外は記録が残るEメールをご利用ください)
E-mail:audiolife2017@gmail.com

営業時間
月〜金: 9:00 AM – 5:00 PM
土: 9:00 AM – 12:00 PM