先日、DATデッキの修理依頼をいただいたときのことです。事前にお聞きしていた不具合の状況は、「テープを再生せず、ERR(エラー)表示になる」というものでしたが、
しかし、当店に到着後の動作確認では、まったく正常に再生されました。手持ちのカセットを2・3本入れ替えましたが問題は起こりません。
早速オーナー様に、その旨をお伝えし、お使いのカセットをお送りいただくことになりました。
数日経って、カセットが届きました。
再生を開始してみると、不具合が再現されました。しかし、カセットをセットしてからのメカの動きが、誤作動しているような感じでした。
カセットを取り出して点検してみると、テープが切れていました。一緒にお送りいただいたもう一本も同様に切れていました。
カセットテープも同じですが、テープが切れるということは、非常に稀です。経験ある方もいると思いますが、引っ張って切ろうと思っても簡単には切れません。ただし、端に切り込みを入れると、あっさりと切れてしまいます。
もう十年以上前のことになりますが、業務用に使用されていたDATテープがオークションで大量に売却処分されていました。外観もテープも綺麗でしたので、おそらく一度程度しか使用されていないテープと思われますが、一本100円という破格の価格でしたので、そのときに数百本購入しました。
しかし、実際に使用してみると、全体の1~2%程度ですが、最初に使用したときに途中で切れてしまうテープがありました。その切れた部分を点検してみると、テープの端部にカビのような汚れが付着していることがわかりました。つまり、汚れでテープ同士が貼りつき、その状態で再生しようとしたときに、その部分が剥がれて切れてしまうということです。
テープのカビを予防することは難しいと思いますが、高温多湿の地域にお住まいの方は、ご留意ください。