お客様から譲り受けた670ZXです。
録音ヘッドのアジマスを自動で調整する機能が搭載されています。
ヘッドが上がらないため再生できません。ピンチローラーアームの固着があると厄介です。
とりあえず、カムモーターユニットのベルトを交換してみます。このベルトは、底板を取り外すだけでメカを降ろさずに交換可能です。
無事ヘッドが上がるようになり、再生可能になりました。
オートアジマスを作動させてみます。しかし、テストトーンの音量がかなり小さい状況です。
オートアジマスの修理経験はありませんので、回路図としばらくにらめっこです。1~2時間ほど悩んで、ようやく右側面の基板にテストトーンの発振回路があることがわかりました。
回路自体はシンプルですので、故障しそうなのは、ICくらいです。取り付けられていたのはRC4558Hというタイプですが、回路図ではRC4458Dになっています。手持ちのRC4458Dと交換してみます。
テストトーンが正規の音量になりました。
しかし、メカ背面のアジマス調整用ユニットに反応がありません。
アジマス調整回路の故障でしょうか?特殊なパーツが使用されていますので、場合によっては修理不可です。
ここにも先ほどと同じRC4458Hが2ケ使用されていました。「同じ時期に製造されたパーツは、同じように故障する」がセオリーですので、2ケとも交換してみます。
治りました。これでひととおり正常動作品となりました。しかし、自動アジマス調整については、録音ヘッドよりも再生ヘッドのほうがメリットがあると思います。現に、後継機のCR-70やドラゴンでは再生ヘッドの自動調整に替わっています。
この機種では、バイアスがフロントパネルで調整できないのは残念ですが、さすがナカミチ、良い音です。
ところで、このデッキ、一体どうしましょうか?
少し前に修理したZX-9も保管庫に眠っていますし、部屋に置き場所がありません・・・贅沢な悩みです。