SONYのDATデッキ、DTC-59ESの修理依頼をいただきました。
20年ほど前に中古購入後、3度ほどメーカー修理を行ったことがあるという機器です。
テープ走行しますが、まったく音が出ません。
カバーを開けて目視点検します。
原因がわかりました。テープを回転ヘッドにローディングするための可動式テープガイド(右側)が上がりっぱなしになっていました。
メカを降ろします。
底面の基板、リールユニットを取り外します。
可動式テープガイドを駆動する白黒ギヤのうち、白色側を固定している留め具が脱落してギヤが外れています。
白色のものが純正の留め具です。経年劣化で割れてしまいますので、鋼製のEリングに置換します。修理業者の中には、20年以上前に大量購入していた純正品を使用することもあるということですが、すぐに割れて再発しますので注意が必要です。
テープガイドがストレスなく動くことを確認します。
リールユニットです。ギヤ類やリールを脱着してグリスアップします。
カセットホルダーを取り外します。
標準のスポンジ製ヘッドクリーナーは、ヘッドを痛めますので撤去します。すでに性状が変化してボロボロになっていました。
ドラムの表面が侵されていないことを確認します。
硬化しているピンチローラーを交換します。
指先にあるのは、カセットの検出スイッチです。接触不良が起きやすいところですので、接点復活剤を処置します。
カセットホルダーの可動部は、パーツ同士が擦れて、開閉トラブルを起こしますので、シリコングリスを処置します。
メカを本体に戻して動作確認を行います。
モード別、入出力別の録再状況を確認し、修理完了です。