以前、当店でDATデッキを修理された方からのご依頼です。
SONYの名機、TC-K777ESⅡですが、再生不可ということです。
何度かPLAYボタンを押していると、そのうち再生が始まりますが、ピンチローラーが下がらないため、テープを取り出すことができなくなります。また、再生時に「ガー」という異音が鳴り続けます。
ピンチローラーをドライバーで押し下げてテープを取り出し、カバーとフロントパネルを取り外します。
メカを取り出しました。
メカを背面から分解していきます。
リールユニットを取り出しました。
写真中央に写っているのが再生用のアイドラーです。
ゴムがプラスチックのように固まっていて取り外すときにバラバラになりました。異音の発生源と思われます。シリコンゴム製のリングと交換します。
リールユニットを分解します。
早送り巻き戻し用アイドラーのゴムリングを交換します。
リールベルトを交換します。
新しいベルトを掛けて組み立てます。
カセットホルダーを取り外します。
左側のピンチローラーアームが固着しています。
ピンチローラーアームを取り外したところです。グリスが固まって白くなっています。拭き取って再グリスします。
ピンチローラーもカチカチに固まっていますので、同サイズの代替品と交換します。
メカを本体に戻して動作確認を行います。
ミラーカセットを用いてテープの走行状態を目視点検します。
315Hzの信号が記録されたテープを再生し、速度の点検を行います。
再生ヘッドのアジマス調整を行います。
録音ヘッドのアジマス調整を行います。
バイアスキャリブレーション後に録再バランス調整を行います。
CDPを接続して録再状況を耳で確認し、修理完了です。
