一昨年に当店で修理したCR-40ですが、「再生開始後数秒で停止するようになった」というご連絡をいただきました。早送り巻き戻しは可能とのことです。
早速機器をお送りいただきました。
しかし、当店での動作確認では、症状が再現されず正常に再生されました。念のため丸一日様子を見ましたが状況に変化はありません。そのことをオーナー様にお伝えし、今回はメンテナンスを行うこととなりました。
カバーを開けてメカを取り出します。
化粧パネルを取り外し、バックテンションベルトを交換します。
トレイ開閉を検知するスイッチ接点を磨きます。
ヘッドとピンチローラーをクリーニングします。
アイドラーギヤを取り外しておきます。
メカ背面です。カムモーターユニットを取り出します。
接点を磨きます。
カムモーターとリールモーターを半日以上空転させ、内部接点の接触改善を図ります。
モーター基板を取り外します。
フライホイールを取り外し、キャプスタンのシャフトにグリスアップし、新しいベルトに交換します。
メカを本体に戻して動作確認を行います。
315Hzの信号が記録されたテープを再生し速度の調整を行います。
再生ヘッドのアジマス調整を行います。
録音ヘッドのアジマス調整を行います。
ここで、問題が起こりました。録音のバランスが大きく狂っています。一昨年の整備時に調整済みですので、これほど大きく狂うことは考えられません。どこか故障しているのでしょうか?
原因がわかりました。キャリブレーション時にRECLEVELツマミを回しても、LCHしか反応しません。RECVOLの故障です。しかし、この部品は入手できませんので、修理できません。そこで、対処療法にはなりますが、ツマミをセンター固定で使用することにより、大きな問題なく使用できるようになります。
録再バランス調整を行い、修理完了です。