PIONEER製3ヘッドデュアルキャプスタンカセットデッキ、CT-A9の修理依頼をいただきました。
以前、早送り中にテープが切れたことがあり、それ以来使用していなかったということです。
最初の点検で気がついたのは、カウンターの表示不良です。4か所とも同じ右下のセグメントが点灯しません。回路の故障でしょうか?ひとまずこれは後回しにします。
動作確認を行います。しかし、まったく不具合は起こりません。オーナー様のお話しにもありましたが、テープが原因だった可能性が高いと思われます。
カウンター表示がいつの間にか正常に点灯しています。ということは、熱の影響を受けているということが考えられますので、半田クラック、または電解コンデンサーの劣化などが原因です。
オーナー様に以上報告したところ、カウンターは可能であれば修理したいとのことでしたので、作業に着手します。
カバーを開けます。
このディスプレイユニットの真下に、カウンター基板があります。
ディスプレイユニットを取り外すと、カウンター基板が現れました。
このコネクタに触れると、カウンターが正常に点灯します。
カウンター基板を取り外します。
やはりコネクタの端子部に半田クラックが発生していましたので、再半田します。クラックの発生していない箇所も併せて処置します。
これはディスプレイ基板のFL管の半田部ですが、ここにもクラックが見られます。このままでは点灯不良になるのは時間の問題ですので、ここも再半田します。
元どおり組み立てて状態を確認します。念のため、2~3日ほど様子を見て、オーナー様のところにお返ししたいと思います。