同じ方からVictorのカセットデッキ2台の修理依頼をいただきました。1台目はこのTD-V707、2台目はTD-V721ですが、これは後日記事にしたいと思います。
「再生時に右側のリールが回転しない」「早送り巻き戻し不可」とのことです。
カセットをセットして再生を開始すると、事前にお聞きしていた通り、巻き取り側のリールが回転しないため、カセットを取り出すとテープが引き出されていました。
早送り巻き戻しは、モーター音が鳴るのみです。
カバーを開けて、ヘッドのコネクタを切り離すため、オーディオ回路のシールドを取り外します。
メカを取り出しました。
アイドラーのギヤが割れていました。
代替ギヤと交換します。
もう片側のモーターのピニオンギヤも予防保全のため交換します。
メカ背面のモーター基板を取り外します。
基板上の電解コンデンサー2ケのうち、1ケだけ交換済みでした。もう片方も交換します。
ピンチローラーとヘッドを専用クリーナーで清掃します。
動作確認を行います。再生、早送り巻き戻しとも良好です。
315Hzの信号が記録されたテープを再生し速度の点検を行います。調整はできませんが、十分許容範囲内に収まっています。
再生ヘッドのアジマス調整を行います。
録音ヘッドのアジマス調整を行います。
バイアスキャリブレーション後に録再バランス調整を行います。
テープポジションの異なる数種類のテープで録再状況を耳で確認し、修理完了です。