ナカミチの2ヘッドシングルキャプスタンカセットデッキ、DR-3の修理依頼をいただきました。
数年ぶりに使用したところ、再生開始後、長くても1~2分で停止してしまうということです。モーター内部接点の接触不良が疑われます。
しかし、当店での動作確認では、半日以上経っても症状が出ませんでした。使用しているうちに接触が改善されたのでしょうか?このままでは処置のしようがありませんので、そのことをオーナー様にメールしました。
ところが、メールを送信してすぐに、再生が勝手に停止しました。
カセットを取り出しました。モーターの不具合の場合は、テープが引き出された状態になりますので、他に原因があります。
カバーを開けます。接触不良が原因であることはほぼ間違いありませんので、可能性の高いところを処置していきます。
メカを降ろして化粧パネルを取り外します。
疑わしいのは、背面に取り付けられているカムモーターユニットのスイッチ接点です。
カムモーターユニットを取り外すためには、ます、ヘッドユニットを押さえているプレートを取り外します。
そこにカムモーターユニットを固定しているビスが現れますので緩めます。
カムモーターユニットを取り出しました。
カムでONOFFするスイッチ接点を磨きます。
モーターに直接電圧を印加し、長時間空転させて内部接点の接触改善を図ります。
ベルトのたるみはありません。
左右リールを脱着し、グリスアップします。
ピンチローラーとヘッドを専用クリーナーで清掃します。
トレイ開閉を検出するスイッチ接点を磨きます。
メカを本体に組み込んで、念のため3日ほど動作テストを行います。
315Hzの信号が記録されたテープを再生し速度の調整を行います。
テストテープを再生し、ヘッドアジマスの調整を行います。
録再バランス調整を行います。ナカミチはテープポジション別に行う必要があります。
CDを録音して音質を確認し、修理完了です。