A&Dの3ヘッドデュアルキャプスタンカセットデッキ、GX-Z7100EVです。
1年ほど前からテープ走行不能になったということです。
電源を入れると「カタカタカタ・・・・」という音が十数秒間鳴り続けます。
カバー、底板、フロントパネルを取り外してメカを取り出します。
カセットホルダーを取り外し分解します。
ホルダー両サイドのカセットを押さえるバネが圧縮変形しています。
脱着して加熱整形します。
ピンチローラーとヘッドは上下動しますが、グリスが固まりかけているため処置が必要です。
ヘッド周りの可動パーツを分解し、古いグリスを拭き取って再グリスします。
硬化しているピンチローラーを交換します。
左右リールとアイドラーを取り外します。
ゴムリングを交換します。
ゴムリングが接する面を脱脂します。
背面のモーター基板を取り外します。
フライホイールを取り外します。ベルトの当たり面の状態は良好です。
カムモーターユニットのベルトを交換します。
オートセレクタ用のスイッチ接点を磨きます。
新しいキャプスタンベルトを掛けて組み付けます。
メカを本体に戻して動作確認を行います。
ミラーカセットを用いてテープの走行状態を目視点検します。
315Hzの信号が記録されたテープを再生し、速度の調整を行います。
再生ヘッドのアジマス調整を行います。
EVモデルは録再独立ヘッドですので、録音ヘッドのアジマス調整も行います。
バイアスキャリブレーション後に録再バランス調整を行います。
録再状況を耳で確認し、修理完了です。