SONY製3ヘッドデュアルキャプスタンカセットデッキ、TC-KA3ESの修理依頼をいただきました。
10年ほど前に故障し、そのまま保管されていたということです。
イジェクトできません。メカを降ろすためにはリッドを取り外す必要がありますので、まずはトレイを開けなければなりません。
カバーを開けます。
トレイのロックを指で解除するとトレイが少し開きますので、これでリッドを取り外すことができます。
メカを降ろして分解を進めます。
ピンチローラーアームとアイドラーを取り外します。
硬化しているピンチローラーを交換します。
キャプスタンモーターユニットを固定している4つのビスを緩め、ユニットを引き抜きます。
モーターユニットを分解します。
モーター基板面の電解コンデンサーを交換します。
新しいベルトを掛けて組み立てます。
メカフロント部を分解します。
ベルトが溶けてプーリーに絡みついていますので、アルコールで清掃します。
新しいベルトを仮掛けします。
ロータリーエンコーダーを分解します。
汚れた接点を研磨清掃し、スライド接点専用グリスを塗布します。
オートセレクタ用のスイッチ接点を磨きます。
モーターユニットを組み付けます。
仮掛けしてあったベルトをモータープーリーに掛け直します。
元通り組み付けて動作確認を行います。
ミラーカセットを用いてテープの走行状態を目視点検します。
315Hzの信号が記録されたテープを再生し速度の点検を行います。ギリギリ許容範囲内というところです。
ヘッドアジマスの調整を行います。
バイアスキャリブレーション後に録再バランス調整を行います。
テープポジションの異なる数種類のテープで録再状況を耳で確認し、修理完了です。