PIONEERのDATデッキ、D-07の修理依頼をいただきました。
1年ほど前に中古購入された機器ですが、最近電源が入らないことがあるということです。
電源ボタンを押しましたが、ディスプレイが点いたり点かなかったりします。
まずは電源スイッチの点検を行います。この形のスイッチはこれまで何度か故障を経験していますが、通電を確認したところ問題はありませんでした。
次に疑わしいのは、RFユニットです。試しにコネクタを抜いてみます。
これで100%電源が入る(ディスプレイが点灯する)ようになりましたので、RFユニットの故障確定です。
メカを降ろしました。後部の基板がRFユニットです。
RFユニットを取り外しました。
これまで、オレンジ色のタンタルコンデンサー故障を2度ほど経験していますので、交換します。しかし、状況に変化はありませんでした。
電圧などを点検しましたが、異状は見られません。これは想定外の状況です。
ところが、見た目には問題が無さそうだった47μFの電解コンデンサーを取り外したところ、液漏れで基板が汚れていました。写真は清掃後ですが、これが原因でしょうか?
ほかのコンデンサーも交換しました。
無事回復しました。液漏れで基板が微妙なショート状態になっていたようです。引き続きメンテナンスを行います。
トレイリッドが開くときに引っ掛かりを感じます。
両面テープで貼り付けられているリッドが浮いています。そのため、開くときにフロントパネルと干渉していました。このまま使用を続けると、リッド取り付け部が外れて開きっぱなし状態になります。
接着剤を注入し、ひと晩待ちます。
隙間は無くなり、スムーズに開くようになりました。
メカを再度降ろして裏返します。
ローターリーエンコーダーを分解し、接点を研磨清掃し、スライド接点専用グリスを処置します。
インストレーションユニットとデッキメカを切り離します。
可動式テープガイドを駆動するモーターです。接触不良が起きやすいため、無負荷状態にして半日ほど空転させリフレッシュします。
ローディング用のモーターも同様です。
ピンチローラーの表面を軽く研磨後、専用クリーナーで清掃し再利用します。
指先のカセット検出スイッチに接点復活剤を処置します。
メカを元に戻して動作確認を行います。
VOL類にガリが見られますので、内部から接点復活剤を処置します。
モード別、入出力別の録再状況を確認し、修理完了です。