ナカミチのBX-1の修理依頼をいただきました。
突然動かなくなったとのことです。
再生ボタンには反応しますが、右側のリールが回転しないため、テープが引き出されてしまいます。
早送りも巻き戻しもリールが回らずNGです。ただし、モーター音は聞こえます。
化粧パネルを取り外しました。以前修理したBX-1はギヤタイプのアイドラーでしたが、この機体はゴムリングタイプです。動作を観察すると、アイドラーは左右に振れますが、紙一重のところでリールに接しないようです。
外径14.5mm程度のゴムリングですが、15mmの新品と替えても同じ状況でしたので、最終的には16mmのものと交換しました。
※10/18追記:発送前の点検でアイドラーがスリップ気味でしたので、最終的に、写真のシリコンゴム製の径15mmのものと交換しました。
再生も早送り巻き戻しも快適になりました。逆に、いままで動作していたのが不思議なくらいです。
メンテナンスに移ります。
メカを取り出しました。
トレイ開閉を検知するスイッチ接点を磨きます。
左右リールを脱着してグリスアップします
後の作業のために、アイドラーを取り外しておきます。
カムモーターユニットを固定しているビスを緩めます。
カムモーターユニットを取り外します。
接点を清掃しますが、思ったよりも汚れていませんでした。
カムモーター、リールモーターを無負荷状態で数時間ほど空転させ、リフレッシュを図ります。
キャプスタンベルトを交換します。
ブレーキのゴムを交換します。
本体に戻して動作確認を行います。
315Hzの信号が記録されたテープを再生し速度の調整を行います。
ヘッドアジマスの調整を行います。
テープポジション別に録再バランス調整を行います。
録再状況を耳で確認し、修理完了です。