AKAI製3ヘッドデュアルキャプスタンカセットデッキ、GX-9の修理依頼をいただきました。
20年ほど保管状態にあったということです。
トレイ開閉はOKですが、
再生、巻き戻し等は、「キー」という、硬化したアイドラーがスリップしている音が鳴るだけで、リールが回転しません。
カバーを開けてメカを取り出します。
カセットホルダーと化粧パネルを取り外します。ホルダーに内蔵されている、カセットを押さえ付ける樹脂製スプリングに変形はありません。
ヘッド周りに固着はありませんが、グリス切れのため、カサカサした感じで滑らかさがありません。
可動パーツを分解し、グリスアップします。
硬化が進行しているピンチローラーを交換します。
アイドラーとリールを取り外し、ゴムリングを交換するとともに、アイドラーが接する面を脱脂します。
背面のモーター基板を取り外します。
ベルトの当たり面を清掃します。
カムモーターのベルトを交換します。
オートセレクタ用のスイッチ接点を磨きます。
新しいベルトに交換し組み立てます。
本体に戻して動作確認を行います。
ミラーカセットを用いてテープの走行状態を目視点検します。
315Hzの信号が記録されたテープを再生し速度の調整を行います。
ヘッドアジマスの調整を行います。
オートチューニング作動後に録再バランス調整を行います。
聴感でのテストを経て、修理完了です。