PIONEER製DATデッキ、D-07の修理依頼をいただきました。
最近になって、音が出なくなったということです。ただし、電源投入後30分ほど待つと、次第に音が出るようになるということです。症状から、温度の影響を受ける接触不良、または電解コンデンサーの劣化が原因と思われます。
リッドが開くときに引っ掛かりを感じます。化粧パネルが剥がれかけて、フロントパネルと干渉しているためです。このまま放置しておくと、リッドの取り付け部が外れてしまいます。
テープをセットしましたが、やはり無音です。30分は待てませんので、修理に着手します。
剥がれかけた化粧パネルは接着剤で貼り直します。
カバーを開けます。
メカを降ろしました。後部に搭載されている基板がヘッドの信号を処理するRFユニットです。
基板を脱着し、電解コンデンサーを交換します。
リッドの補修か完了し、ストレスなく開閉するようになりました。
メカを一旦戻して動作確認を行います。無事音が出るようになりました。
ヘッドホンVOLにガリが見られますので、内部から接点復活剤を処置します。
再度メカを降ろします。メカの動作状況を検知するローターリーエンコーダーを分解します。
汚れた接点を研磨清掃し、スライド接点専用グリスを処置します
インストレーションユニットを取り外します。
普段あまり出番の無いモーターは接触不良が起きやすくなります。その予防措置として、無負荷状態で数時間ほど空転させ、内部接点のリフレッシュを図ります。
指先のカセット検出スイッチに接点復活剤を処置します。
表面の劣化しているピンチローラーは、専用クリーナーで処理します。
メカを元に戻して動作確認を行います。
モード別、入出力別の録再状況を確認し、修理完了です。