ナカミチの581です。
故障してから10年ほど経過しているということです。
イジェクトボタンが引っ込んでいてトレイが開きません。
操作ボタンには反応しますが、ボタンのランプが3か所ほど切れています。
カバーを開けてトレイのロックを解除します。
フロントパネルを取り外して、サイレントメカを固定している正面のビス4本を緩めます。
底板も取り外し、基板に接続されているコネクタと、再生-録音切替用のリンケージを切り離します。
メカを取り出します。
背面から分解していきます。
トレイのロックを解除するためのリンケージを固定している箇所が破損しています。
以前の修理の際に接着固定されたようですが、強度上の問題があったため、再度故障したと考えられます。
破損した箇所をアルミ板を加工したパーツで補強します。
誤消去防止用の検出スイッチ接点を磨きます。
劣化しているカウンターベルトを交換します。
左右リールを脱着してグリスアップし、アイドラーゴムを交換します。
新しいベルトを掛けて組み立てます。
トレイの開閉状況を確認します。
モードベルトを交換します。
「PAUSE」「REC」「STOP」ボタンのランプが切れています。
基板を取り外し、ムギ球(12V)を交換します。ランプの台座は熱で劣化してボロボロでしたので、シリコンチューブで代用しました。
点灯状況を確認します。
元通り組み立てて、動作確認を行います。スイッチ類に接触不良が見られますので、
機器内部から、各スイッチに接点復活剤を処置します。
315Hzの信号が記録されたテープを再生し、速度の調整を行います。
再生ヘッド、録音ヘッドのアジマスに狂いはありません。
テープポジション別に録再バランス調整を行います。
録再状況を耳で確認し、修理完了です。