Lo-Dの3ヘッドデュアルキャプスタンカセットデッキ、D-707Ⅱの修理依頼をいただきました。
20年近く保管状態にあったということです。
操作ボタンを押すと、メカに反応は見られますが、キャプスタンとリールが回りません。
カバーを開けました。ベルトが加水分解で溶け切れて、モータープーリーに絡みついています。
メカを取り出しました。
メカ背面のモータープレートを取り外します。
左はリールベルト、右はキャプスタンベルトが巻き付いています。
かろうじて生き残っていたベルトですが、伸びています。
溶けかかったベルトを除去しました。キャプスタンベルトが径80mmと73mm、リールベルトが折長75mmです。
この状態で一度動作確認を行います。早送りと巻き戻しは動作しましたが、再生はリールが回らずNGです。
化粧パネルを取り外し、再生用のアイドラーユニットを取り出します。特殊品ですので交換はできませんが、表面を研磨し、専用クリーナーで処理します。
これで再生も可能な状態となりました。
本体に組み込む前に、硬化したピンチローラーを交換します。
メカを元に戻して動作確認を行います。
無入力状態で、メーターがひと目盛りほどチラチラ点灯します。これは、基板上の調整ツマミを回して解消します。
315Hzの信号が記録されたテープを再生し、速度の調整を行います。
再生ヘッドのアジマス調整を行います。
録再バランス調整を行います。
テープポジションの異なる数種類のテープで録再状況を確認し、修理完了です。