A&DのGX-Z9000です。
2年ほど前に他店で整備されたということですが、最近になってリッド開閉に不具合が発生したということです。
操作ボタンに無反応です。この機種では珍しい症状ですので、重大な故障でしょうか?
カバーを開けて、カムモーターのプーリーを指で回すと、少し動きだしましたが、ガサガサという金属が擦れる音が鳴ります。カムモーターが完全に故障しています。
メカを取り出して分解を進めます。
カセットホルダー内蔵の樹脂製スプリングの片方が、逆さまに取り付けられていました。
変形が見られましたので、脱着して加熱整形します。
これで機能が回復しました。
硬化しているピンチローラーを交換します。
可動パーツを分解し、古いグリスを拭き取って再グリスします。
この箇所が固着していましたので注油します。
左右リールとアイドラーを取り外します。
ゴムリングを交換します。
ゴムリングが接する面を脱脂します。
キャプスタンモーター基板を取り外します。
故障したカムモーターと劣化しているベルトを交換します。
オートセレクタ用のスイッチ接点を磨きます。
新しいベルトを掛けて組み立てます。
本体に組み込んで動作確認を行います。
ミラーカセットを用いてテープの走行状態を目視点検します。
315Hzの信号が記録されたテープを再生、速度の点検を行います。
ヘッドアジマスの調整を行います。
録再バランス調整を行います。
テープポジションの異なる数種類のテープで録再テストを行い、修理完了です。