TASCAM製3ヘッドシングルキャプスタンカセットデッキ、122mkⅡの修理依頼をいただきました。
10年ほど使用していなかったとのことです。電源を入れるとモーター音が大きく鳴り響きます。
カバーを開けます。カムユニットのプーリーを少し回してやると、モーターの回転が停止しました。
メカを降ろします。先ほどのプーリーに掛かっていたベルトが、加水分解により溶け切れています。
メカ背面の基板を取り外します。
キャプスタンモータープレートを取り外し、プーリーを脱着して清掃後に新しいベルトを掛けます。
カセットホルダーを切り離します。
左右リールを脱着してグリスアップします。
アイドラーゴム(2ケ)を交換します。
メカを本体に戻して動作確認を行います。
]315Hzの信号が記録されたテープを再生し、速度の調整を行います。
ところが、この時点で新たな不具合があることが判明しました。再生、早送り巻き戻しOKですが、録音は音が籠ります。
バイアスの調整を試みましたが、改善は見られません。両CHとも同じ状況ですので、録音ヘッドの性能低下が疑われます。オーナー様にその旨お伝えした結果、録音は行わないので現状で問題無いとのことでしたので、バランス、アジマス、速度の調整を行い、今回の修理はここまでとなりました。