SONY製3ヘッドデュアルキャプスタンカセットデッキ、TC-KA5ESの修理依頼をいただきました。
3年ほど前からテープを痛めるようになったということです。
左側のピンチローラー回転が偏心しているとのことですので、動作確認は行いません。
メカを降ろします。
分解を進めます。
劣化したピンチローラーを交換します。左側は、充填剤が抜けていてコアが簡単に外れてしまいました。
キャプスタンモーターユニットを切り離します。
モーターユニットを分解します。
基板上の電解コンデンサーを交換します。
新しいベルトを掛けて組み立てます。
メカフロント部のモーターユニットを取り外します。
ブリード現象により油分が浸み出して表面が光っています。
ベルトの掛かるプーリーを脱脂して、新しいベルトを仮掛けします。
ロータリーエンコーダーを分解します。
汚れた接点を研磨清掃し、スライド接点専用グリスを処置します。
オートセレクタ用のスイッチ接点を磨きます。
モーターユニットを組み付けて、仮掛けしてあったベルトをモータープーリーに掛け直します。
メカを元に戻して動作確認を行います。
ミラーカセットを用いてテープの走行状態を目視点検します。
315Hzの信号が記録されたテープを再生し、速度が許容範囲内に収まっていることを確認します。
ヘッドアジマスの調整を行います。
バイアスキャリブレーション後に録再バランス調整を行います。
テープポジションの異なる数種類のテープで録再状況を確認し、修理完了です。