Nakamichiの3ヘッドデュアルキャプスタンカセットデッキ、DR-1です。
2000年頃に新品購入され、過去に1度修理歴があるという機器です。
再生が途中停止する症状が出始めたと思ったら「Err」表示となってイジェクトすらできなくなったということです。
カバーを開けます。
カムモーターに直接電圧を加え、強制的にメカを動かします。
これでトレイのロックが解除され、テープを取り出すことができました。
とりあえずは再生等も可能になりましたが、
再生が途中停止してしまいました。
テープの状態を確認します。テープにたるみがある場合は、リールモーターの故障ですが、そうではありませんでしたので、メカ内部接点の接触不良が原因と考えられます。
メカを取り出します。
化粧パネルを取り外します。バックテンションベルトが健常であることを確認します。
トレイ開閉を検知するスイッチ接点を磨きます。
この後の作業の準備としてアイドラーギヤを取り外します。
メカ背面です。
カムモーターユニットを取り出して、酸化しているスイッチ接点を磨きます。
カムモーターとリールモーターを半日ほど空転させ、内部接点の接触改善を図ります。
メカを元に戻して動作確認を行います。
315Hzの信号が記録されたテープを再生します。2%の狂いです。これは、いつも聴いているテープを再生したときに聴感で気づくレベルです。これを正規な速度に戻した場合、これまでこの機器で録音したテープをが遅く感じるということになりますので、念のため、そのことをオーナー様に確認の上、速度の調整を行います。
再生ヘッドのアジマスは、ツマミをセンターの位置の状態で調整を行います。
録音ヘッドのアジマス調整を行います。
テープポジション別に録再バランス調整を行います。
CDPを録再モニターして録音状況を確認し、修理完了です。