今回の修理はヘッド不良のため、修理中止に至りましたが、備忘録として記載します。
Victor製2ヘッドシングルキャプスタンカセットデッキ、KD-A7です。
「再生が勝手に停止する」トレイが開くのが遅い」ということです。
再生を開始しましたが、不定期に停止します。停止する前にカウンターが止まりますので、カウンターベルトのスリップが原因と思われます。
OUTPUT-VOLとREC-VOLの接触状態が悪く、ノイズが発生したり、音が出なかったり途切れたりします。まずは、これらの処置を行います。
VOLは、2段になっている基板の下部に取り付けられています。紫色のビスが基板脱着に必要なもの、青色のビスはメカ脱着に必要なものと色分けされています。
上部の基板を取り外しましたがVOLにアクセスできませんでした。
フロントパネルと、フロントのフレームを取り外しました。これでようやくVOLが現れましたので、接点復活剤を処置します。
ガリは解消されました。しかし、OUTPUT-VOLは、左チャンネルが常時出力MAX状態です。それよりも問題は、音がかなり籠っていることです。
ヘッドが錆びていましたので磨きましたが、周波数特性は高域がほとんど出ないという状況です。この機種では、以前もヘッドの性能低下を経験していますので、今回も同様と思われます。このことをオーナー様にお伝えし、今回は修理不可、無償扱いとしてお返しすることとなりました。