SONY製4ヘッドDATデッキ、DTC-1500ESの修理依頼をいただきました。
ローディングされなくなったということです。
テープが吸い込まれましたが、以後反応がありません。
カートリッジ検出スイッチに接点復活剤を処置します。
これでローディング可能になり音が出ましたが、アナログ入力で不定期に「ザーーー」というデジタルノイズが発生したり、録音時のモニター再生ができないなどの不具合があります。
モニター再生の不具合がどこにあるのかを特定するため、メカを私の1500ESに接続してみます。モニター再生は可能でしたので、本体側に問題があることになります。
この機種では。写真のドライバー基板と、その下にあるデジタル基板の電解コンデンサー液漏れによるトラブルが起こりますので、それが原因の可能性があります。
デジタル基板です。黄色い空中配線でトランジスタが追加されています。過去に何かあったようですが、今となっては知る由もありません。
基板を取り出しました。
電解コンデンサーを交換した修理歴が見られます。ただし、それは一部のみで、未交換のものには液漏れが見られます。
裏側です。液漏れの形跡があります。
リードタイプのものと全交換しました。
続いてドライバー基板です。
ここも先ほどと同様、一部コンデンサーは未交換となっていて、液漏れが見られます。
すべて交換しました。
一旦元通りに組み付けて動作確認を行ったところ、デジタルノイズは解消されましたが、再生モニターは回復できませんでした。やはり基板に損傷を受けているようで、これ以上手の施しようがありません。以前修理された際に全交換されていれば予防できたと思うのですが・・・
以上オーナー様に報告し、引き続きそれ以外のメンテナンスを行うこととなりました。
続いてヘッドの信号を処置するRFアンプです。
こちらは、録音・再生用です。電解コンデンサ2ケを交換します。
こちらは再生モニター用です。4ケ交換します。
メカ裏側の基板を取り外します。
リングギヤに固着は見られませんでしたので、注油のみに留めます。
硬化変形しているモードベルトを交換します。
リールユニットです。ブレーキの効き、パッドの剥がれが無いことを確認します。
プラスチックのように硬くなったピンチローラーをゴムを張り替えたものと交換します。
動作確認を行います。
モード別、入出力別の録再状況を確認し、修理完了です。