SONY製DATデッキ、DTC-690の修理依頼をいただきました。
十数年ぶりに使用したところ、少し動いた後に不動となったということです。
テープがセットされていますが、イジェクトが効きません。
カバーを開けました。テープガイドが中途半端な位置で停止しています。
メカを降ろしてテープを取り出します。
標準装備のスポンジ製ヘッドクリーナーは、性状の変化によりヘッドを痛めますので撤去します。案の定、スポンジがボロボロになっていました。
メカを裏返して基板とリールユニットを取り外します。
テープガイドを駆動する白いギヤの樹脂製留め具が脱落しています。
経年劣化により割れたためですので、鋼製のEリングと置換します。
テープガイドに引っ掛かりがあり所定の位置まで動くことができません。
プラスチックのガイドレールが経年により変形したためですので修正を行います。
ストレスなく動くようになりました。
リールユニットのギヤを脱着してシャフト部にグリスを処置します。
左右リールを取り外します。バネに塗られたグリスが固まって固着していますので、清掃し再グリスします。
ソレノイドを固定しているビスが緩んでいましたので、増し締めします。
カセットホルダーを取り外します。
硬化したピンチローラーをゴムの張り替えたものと交換します。
カートリッジの検出スイッチに接点復活剤を処置します。
スポンジ製ヘッドクリーナーでドラム表面の一部が侵されて、ザラザラになっていましたので研磨します。
カセットホルダーの可動部にグリスを処置します。
メカを元に戻して動作確認を行います。かなりのノイズ混じりです。
クリーニングテープを少し長めに走らせて、ノイズは解消されました。
モード別、入出力別の録再状況を確認し、修理完了です。