PIONEER製3ヘッドシングルキャプスタンカセットデッキ、T-D7の修理依頼をいただきました。
2点の不具合があるということです。
動作確認の前に、少し気になることがありました。この機種は、リッドの窓にグリーンのランプが点灯すると記憶していましたが、点いていません。当店の過去のブログ記事で同機種の状態を確認すると、点灯しているものとそうでないものが混在していましたので、故障しやすい箇所のようです。ただし、パーツは入手できませんので修理はできません。
【※2024/3/16加筆】後日オーナー様から、「当該ランプは、デジタルNRをONで点灯する」とお知らせいただきました。勝手に思い込みの記事を記載したことをお詫び申し上げます。
動作確認を行います。不具合の一点目は、「録音すると、開始直後に不安定な録音状態になる」というものですが、特に問題は見られません。テープに原因があったのでしょうか?
もう一点は、「リッドが勝手に閉まる」というものですが、これも再現されません。開いているときに指で押し付けると電動で閉まりますが、これは仕様です。以上の結果をオーナー様にお知らせし、今回は必要と思われるメンテナンスを行うこととなりました。
カバーを開けてメカを取り出します。
ピンチローラーを交換します。
トレイ開閉ユニットを取り出して、ベルトを交換します。
315Hzの信号が記録されたテープを再生し、速度調整を行います。
リッドの金色の部分を取り外し、アジマス調整を行います。
オートチューニングを作動させ、バランスが適正であることを確認します。
テープポジションの異なる数種類のテープで録再状況を確認し、メンテナンス完了です。