1年ほど前に当店でDTC-59ESを修理された方から、不具合が発生したとのご連絡をいただきました。
先月から、再生時にノイズが混じるようになり、次第に症状が悪化したということです。
当店の動作テストでは、最初は正常に再生されましたが、テープを替えたとたんに無音状態となってしまいました。
カバーを開けます。
目視では、テープ走行の異状は確認できません。ヘッドチップを直接クリーニングしましたが一向に改善の兆しは見られませんので、ヘッドの故障が疑われます。オーナー様に修理費用が嵩むことをお伝えし、ヘッド交換を試みます。
しかし、残念ながら、手持ちのヘッドと交換しても症状は改善されませんでした。ヘッドでないということは、ヘッドの回転を制御している回路でしょうか?
試しにドラムドライブ基板を交換したところ、正常に出力されるようになりました。意外でしたが、これでようやく故障箇所が絞られました。
原因を突き止めます。基板上には電解コンデンサーが3ケ取り付けられています。
すべて交換を行います。220μFに液漏れが見られました。
元通り組み付けたところ正常に再生されました。やはり電解コンデンサーの劣化が原因でした。これから同様の故障が増えると思われますので注意が必要です。
1年前にメンテナンスを行っていますが、分解して各部に問題が無いことを確認します。
以上修理完了です。