SONY製DATデッキ、DTC-ZA5ESの修理依頼をいただきました。
しばらく放置している間に、故障していたということです。
電源を入れましたが、ディスプレイが点灯しません。
イジェクトボタンを押すと、少し開いてすぐに閉まってしまいます。
まずはディスプレイの関係です。回路図を見ると、ディスプレイ基板には30Vと5Vの電源が接続されています。テスターで点検を行うと5Vラインが死んでいました。
5Vの電源回路を確認します。怪しいのは47Ωのヒューズ抵抗です。
点検の結果、予想通り47Ωのヒューズ抵抗が絶縁していることが判明しましたので交換します。0.25Wです。
ひとまずディスプレイは点灯するようになりました。
メカを取り出しました。ローディング用のベルトが伸びています。この機種では珍しい状況です。
ベルトを交換し、メカを一旦元に戻します。これで再生は可能になりましたが、今回はメンテナンスも行います。
メカを再度降ろします。
裏返して基板を取り外します。
リングギヤが固着しています。
モーターやギヤ類などを取り外します。
銀色の部分が動きませんのでCRCで固まったグリスを溶かし、注油します。
ストレスなく動くようになりました。
新しいモードベルトを掛けて組み立てます。
リールユニットです。ブレーキの効きと、パッドの剥がれが無いことを確認します。
カセットホルダーを取り外します。
ピンチローラーを交換します。
リール斜め下の検出スイッチに接点復活剤を処置します。
カセットホルダーの可動部にグリスを処置します。
メカを組み込んで動作確認を行います。
モード別、入出力別の録再状況を確認し、修理完了です。