以前、当店でTEACのデッキを修理された方からの新たなご依頼です。
ナカミチのCassette Deck1です。今年に入ってから入手されたものの、突然、再生速度が低下したということです。
テープをセットしましたが、再生不可の状態です。
早送り巻き戻しは可能です。ということは、
やはり、キャプスタンが回転しません。
カバーを開けました。
モーターのプーリーを少し動かすと、回転し始めました。
これで再生可能になりましたが、超低速です。調整では対処できないほどの状態ですので、モーター交換が必要です。
メカを降ろしました。白いカムギヤは、再生ヘッドのアジマス調整用です。フロントパネルのツマミで調整が可能な仕様となっています。
リールとアイドラーを取り外します。
カセットホルダー開閉を検知するスイッチの接点を清掃します。
メカ背面に取り付けられている再生アンプ基板を取り外します。
モータープレートを取り外します。
このモーターは故障が多いという印象があります。
同規格のモーターと交換します。12V2400rpm、長期保管のマブチ製未使用モーターです。
金属製のプーリーは、写真のようなプーラーを用いて取り外します。
元々付いていたベルトは、ややきつめでしたので、交換します。径80mmです。
配線を終えました。
カムモーターユニットを取り外します。
酸化した接点を清掃します。清掃後の写真撮影は失念しました。
モーターを無負荷状態で数時間ほど空転させ、内部接点の接触改善を図ります。
バックテンションベルトも交換します。
メカを元に戻して動作確認を行います。モーターとベルトが馴染むまで、少し長めに慣らし運転を行います。
315Hzの信号が記録されたテープを再生し、速度を合わせます。
アジマス調整のツマミがセンターにあることを確認し、
再生ヘッドのアジマス調整を行います。
録音ヘッドのアジマスの調整を行います。
ナカミチは、テープポジション別に録再バランス調整を行います。
聴感でのテストを経て、修理完了です。