以前当店で修理したKX-1000ですが、不具合が生じたということです。
テープ走行できないとのことです。
早送りも再生も、モーターは回転していますが、リールはまったく回転しません。アイドラーゴムは、交換してそれほど経過していませんので、何かほかに原因があるのでしょうか。
カバーを開けてメカを取り出します。
化粧パネルを取り外し、状態を観察します。アイドラーが少し前方にせり出しています。
このモータープーリーにひび割れが見られます。それで緩みが生じて位置がズレたようです。
取り外します。このモータープーリーはそう簡単には外れないという印象がありますが、緩んでいるため、指で摘まんで引っ張ると、スルッと抜けました。
写真では分かりにくいかもしれませんが、縦方向にひびが入っています。
このアイドラーというのは、右写真のバネの力でモータープーリーとの間に挟まれ、その摩擦力で振り子のように動いて左右リールに接触し回転させます。しかし、モータープーリーが緩んで前方に移動すると、バネで挟まれる力が弱くなり、アイドラーをリールに押し付けることができず、動作不良となってしまいます。
部品は入手できませんので、接着補修します。ついでですのでアイドラーゴムも交換しました。
メカを元に戻して動作確認を行います。
録音の状況も確認し、修理完了です。