SONYの業務用DATデッキ、PCM-R500です。
ローディング不良とのことです。
リッドが開きっぱなしになっています。機器を横にしたときに、中から「カラン」という、何かが転がる音がしましたので、それと関係があると思われます。
カバーを開けました。レバーのようなものが転がっていました。
テープをセットしましたが、「CAUTION」表示になります。
リールを摘まんで回してみます。予想通り、固着していました。少し力を入れると回るようになりました。
これでひとまず再生可能になりましたが、メンテナンスは必要です。
先ほどのレバーのほか、ビス一本も転がっていました。
レバーはここに取り付けます。自然に緩んで外れるのは極めて珍しい状況です。
正常に開閉するようになりました。
メカ底面の基板を取り外して分解します。
リングギヤに塗られたグリスを除去し注油します。
モードベルトを交換します。また、ギヤの中心部などにグリスアップします。
今回の故障の原因となったリールユニットです。
パッドが貼り付いた箇所をアルコールで清掃します。
分解します。パッドの剥がれはありません。ただし、表面の性状変化により、粘着しやすくなっています。
パッドを交換します。
カセットホルダーを取り外します。
ピンチローラーを交換します。
指先のカートリッジの検出スイッチに接点復活剤を処置します。
RFシグナル測定のための端子を増設します。
オシロを接続して測定します。ほぼ狂いはありませんでした。
モード別、入出力別の録再状況を確認し、修理完了です。
