SONY製3ヘッドデュアルキャプスタンカセットデッキ、TC-K777の修理依頼をいただきました。タイトルにあるとおり、今回は少し訳ありです。
オーナー様にとって、非常に思い入れのあるデッキということです。今年に入ってから、他店で修理を行ったものの、3か月経って戻ってきたときに、不具合が見られたということです。
再生は可能ですが、「カタカタカタ・・・・」という音と、「ウイーンウイーン・・・」という音が混ざった異音が常に発生します。これでは興覚めです。しかも、修理伝票の点検項目には「動作中に異音が無いこと」にチェックが入っていましたので、オーナー様が修理店にその旨申し出たところ、「古い機器だからこれが限界」と、けんもほろろに断られたということです。
しかし、なぜそんな異音が発生するのか、修理者として非常に気になります。原因を究明するため分解を進めます。音の種類から、リール周りに問題がありそうです。
メカを取り出して、リールユニットを取り外します。この瞬間に原因がわかりました。
これは再生用のアイドラーですが、径が小さなアイドラーゴムに交換されています。そのため、金属部分がリールと接触し、冒頭の異音が発生していました。
当店で使用しているシリコンゴム製のアイドラーゴムと交換します。大きさの違いが分かると思います。
異音は完全に解消されました。いろいろなことがあるものですが、今回は以上です。