先日、SONYのTC-K333ESJを修理していた時のことです。
ドルビーをONにしてもディスプレイにその表示がなされません。オーナー様からは事前にそういったお話は聞いていませんでしたので、「思っていたよりも厄介な修理になるな・・・」と仕方なくサービスマニュアルの回路図を引っ張り出しました。
小一時間ほど回路図を眺めましたが、どこが故障するとそういった症状になるのかがピンと来ません。
FL管には、写真のように、「DOLBY」「B」「C」が点灯する箇所が用意されています。しかし、よく見てみると「B」と「C」はありますが、この機種に装備されている「S」はありません。さらには、写真の右端に切れていますが、この機種には装備されていない「CD DIRECT」という表示があります。「まさか?」と思い、ネットでESJモデルの写真を検索してみると、ドルビーがONになっているにも関わらず、ディスプレイにそれが点灯している写真はひとつもありませんでした。
結論としては、ESJモデルでは、この箇所は点灯しないということです。(後継機のKAモデルでは点灯する仕様になっています)
いままでかなりの台数を扱ってきましたが、今になってようやく気がつきました。コスト削減やFL管の納期が間に合わなかったため前モデルのパーツを流用したのでしょうか?(なお、222ESJモデルでは、そもそもディスプレイに点灯箇所はありませんので、222ESJ専用品を製造し使用されていると思われます。)
発売当時、購入したお客様から「表示が点灯しない」というお問い合わせがメーカーに殺到したでしょうね。今回は以上です。
※2024/5/6加筆
後日、別の個体の333ESJの修理を行いましたが、ドルビーやCDDIRECTの表示箇所の無いFL管でした。やはり、前モデルの在庫FL管を使用していたのでしょうね。