先日、VictorのDD-5の修理を行っていた時のことです。メカのメンテナンスを終え、動作確認を行ったところ、
右チャンネルの出力がありません。
あれ?と思い、一旦電源を切りました。
すると、正常な状態に戻りました。どこか接触不良かな???と思って、そのまま再生を続けていると、
スピーカーから「キュー」という、変わった音が出力されたと思ったら、再度右チャンネルがダメになりました。しかも、今度は電源を入り切りしたり、何をしても元に戻りません。
録音状態でも同じです。普通、こういった故障は、再生のみNGということが多いのですが、再生・録音・メーター表示のいずれもNGというのは珍しい状況です。
サービスマニュアルで回路のダイアグラムを確認すると、信号は、再生も録音も一度ANRS(ビクター独自のノイズリダクションシステム)のICを通過します。
これがそのICです。サイン波の記録されたテープを再生し、オシロスコープで点検すると、やはり、このICのところで信号が途切れていましたので、ジャンク機から移植します。
無事復活しました。長期間使用されていなかった機器が、修理後に新たな故障が発生することは決して珍しいことではありません。