KENWOOD製２ヘッドシングルキャプスタンカセットデッキ、KX-880Gの修理依頼をいただきました。
これまで修理歴は無いということですが、右側のリールが回転しなくなったということです。
当店の動作テストでは、再生はできましたが、途中で何度かリールが1秒ほど止まる状況が見られました。リールモーターの故障が原因です。今回は、リールモーター交換のほか、コントロールモーターユニットや接点のメンテナンス、各種調整を行います。
カバーを開けてメカを取り出します。
分解を進めます。
コントロールモーターユニットのメンテナンスを行うためには、隠れているビスを緩めなければなりませんので、支障となるパーツを分解します。
指差ししているのがコントロールモーターユニットです。
ユニットを取り外しました。
モーターでONOFFするスイッチ接点を清掃します。
このモーターは、常に同じところで停止するため、接触不良が起きやすいという傾向があります。モーターに直接電圧を印加して、数時間ほど空転させ内部接点の接触改善を図ります。
リールモーターユニットを取り外します。
代替モーターと交換します。取り付け部の加工が必要です。
カセットの検出スイッチをケアします。
オートセレクタ用のスイッチ接点を磨きます。
硬化したピンチローラーを交換します。
メカを元に戻して動作確認を行います。
315Hzの信号が記録されたテープを再生し、速度調整を行います。
ヘッドアジマスの調整を行います。
録再バランス調整を行います。
テープポジションの異なる数種類のテープで録再状況を耳で確認し、修理完了です。
