少し前に当店で整備したCR-40ですが、「再生不可になった。キャプスタンが回転しない」とのご連絡をいただきました。
かなり前にもCR-40でキャプスタンが回転しない故障を経験しています。その時は、モーター基板の故障でしたので、たまたま手元にあったパーツと交換しましたが、現在は入手困難なため、同様のケースでは修理不可となってしまいます。
ダメ元でよければ、ということで機器をお送りいただきました。早速カバーを開けます。
フライホイールを指で回すと、回転が始まりましたが、すぐに停止してしまいます。それを繰り返しているうちに、かなり動きが重くなってきました。
まさか?と思いつつ、デッキを立てかけて、キャプスタンのオイルワッシャーを少し前方に移動し、根元に注油します。すると、すこしづつ動き出しました。ナカミチのサイレントメカでは同様の症状を何度か経験していますが、SANKYOメカでは初めてです。
メカを降ろします。
フライホイールを引き抜き、キャプスタンを清掃後に注油し組み付けます。
何事もなかったように動作します。
今回の不具合は、SANKYOメカではかなりのレアケースです。一般的に、キャプスタンを清掃するときは、アルコール系の液体を使用しますが、それがキャプスタンの油分を脱脂してしまったのでしょうか?今後SANKYOメカには注意が必要です。