ナカミチのZX-7です。
10年ぶりに使用したところ、故障していたということです。電源ON後、動作開始するまで1時間掛かり、せっかく動いたと思ったら早送り再生になるということです。
再生ボタンに反応はありますが、ヘッドが上がりません。メカの動作を切り替えるカムモーターのベルトが伸びていることが原因と考えられます。
カバーと底板を取り外します。
ヘッドの上げ下げなどを行うカムモーターのベルトを交換します。
ヘッドは上がるようになりましたが、ピンチローラーアームが固着して動きません。このタイプのピンチローラー周りの整備は、極めて面倒で修理者泣かせです。
フロントパネルを取り外します。ケーブルとコネクタの数が非常に多いので、これも厄介です。
メカを取り出しました。
カセットホルダーとヘッドブロックを取り外します。
ピンチローラーとテープガイドを取り外します。この状態で、ノギスやシクネスゲージなどを用いて、ピンチローラーアームの位置を測定し記録します。
プーラーを用いて、ピンチローラーアームを固定している金属製の留め具を引き抜きます。
半田ごてで加熱しながら、硬化しているグリスを柔らかくして、ピンチローラーアームを取り外します。無理に引き抜くと、シャフトごと抜けて大変なことになります。シャフトを清掃&再グリスして、分解前に測定した位置に組み付けます。
ミラーカセットを用いて、テープとテープガイドが干渉していないこと、消去ヘッドや録音ヘッドのセンターをテープが走行することを確認します。
続いてメカ背面から分解していきます。最初にモータープレート、
次にリールユニットを取り外します。
異音防止のため、左右リールを脱着し、グリスアップします。
アイドラーゴムを交換します。
誤消去防止孔検知スイッチ接点を磨きます。
ベルトを交換し組み立てます。
本体に戻して動作確認を行います。
315Hzの信号が記録されたテープを再生し、速度の調整を行います。
再生ヘッドのアジマスの調整を行います。
録音ヘッドのアジマス調整ユニットが正常に作動することを確認します。
バイアスキャリブレーション後に録再バランス調整を行います。ナカミチはテープポジション別に行う必要があります。
録再状況を確認し、修理完了です。