ケンウッドのKX-880GRです。
異音が発生して正常にテープ走行しないということです。アイドラーギヤの破損が原因でしょうか？
動作確認を行います。再生を開始すると、右側リールがカタカタと振動しますが、回転しないためテープが引き出されてしまいます。
カバーを開けてフロントパネルを取り外し、メカを取り出します。
ここでようやく原因が判明しました。
左のリールは正常ですが、右側のリール先端が引っ込んでいます。そのため、カセットのハブと上手くかみ合わなかったようです。
カセットホルダーと化粧パネルを取り外します。
アイドラーギヤに問題はありません。
バックテンションベルトが溶け切れています。
リールとその周辺に溶けたベルトが付着していますので除去清掃します。
問題の右側リールです。リール先端は、カセットをセットしたときに、ハブとスムーズに噛み合うよう、前後に移動するように作られています。通常はスプリングの力で自然に戻りますが、パーツ同士が擦れて元に戻ることができません。KENWOODやTEAC、ナカミチに搭載されているSANKYO製のメカで最近よく見られる状況です。
分解します。
差し込み部が割れています。そのためリール先端部と擦れていましたので、ヤスリで修正します。
先端部を奥に押し込んでもスムーズに戻るようになりました。
バックテンションベルトを取り付けます。
ピンチローラーとヘッドを清掃します。
動作確認OKです。
今回の修理はここまでです。SANKYOメカには注意が必要です。
