Victor製３ヘッドデュアルキャプスタンカセットデッキ、TD-V931の修理依頼をいただきました。
２年ほど前から早送り巻き戻しが不調となり、最近になって再生にも不具合が生じたということです。
天板に何かが貼り付いていました。
カウンターのアクリル板でした。
開閉時に「ガラガラ」という異音が発生します。
再生は可能ですが、１・２秒で停止します。それでも何度か繰り返しているうちに停止しなくなりました。
早送り巻き戻しはリールが回らないためNGです。
カバーを開けてメカを取り出します。
トレイ開閉ユニットと切り離します。
背面のモーター基板を取り外します。
表面がスベスベになっているベルトを交換します。
モーターユニットを取り外します。
ギヤが両方とも欠けています。
代替品と交換します。
汚れの酷いキャプスタンなどをクリーニングします。
ビクターのTDシリーズはアース不良によるノイズ発生が起きやすいため、メカと本体間のアースラインを増設します。
元に戻して動作確認を行います。
315Hzの信号が記録されたテープを再生し、速度が許容範囲内に収まっていることを確認します。
再生ヘッドのアジマスの調整を行います。
録音ヘッドのアジマス調整を行います。
録再バランス調整を行います。
録音テストを経て、修理完了です。
