今回は、非常に珍しい機種です。
お客様からお譲りいただいたSONYのTC-K501ESです。型番だけではわかりませんが、オートリバース機です。
動作確認を行います。トレイ開閉はロケットオープン状態です。
操作ボタンに反応はありますが、テープ走行しません。
カバーを開けます。
底板も取り外します。キャプスタンベルトが朽ち果てています。これが故障の原因のひとつです。
メカを降ろします。
カセットホルダーを取り外します。ロケットオープンの原因となった劣化したダンパーゴムを交換します。
化粧パネルを取り外します。
裏面には、ランプの光を回転センサーに導くプリズムが取り付けられています。ここが埃で曇るとオートストップがが働きますので表面を磨きます。
左右リールを脱着してグリスアップします。
ピントローラーとヘッドを清掃します。
ロケットオープンが解消されたことを確認します。
モータープレートを取り外します。
フライホイールを脱着して、こびりついているベルトカスを除去します。
新しいベルトを掛けて組み立てます。
メカを元に戻して動作確認を行います。しかし、キャプスタンモーターもリールモーターも回転しません。回路の故障のようです。
サービスマニュアルを見ながら点検したところ、電源部のヒューズ抵抗が絶縁していることがわかりましたので交換します。
モーターが回転するようになりました。早送り巻き戻しはOKですが、ピンチローラーが上がらないため再生できません。
再度メカを降ろします。初めての機器は手戻りが多いのは仕方ありません。ピンチローラーアームが固着していましたので脱着してグリスアップします。
テープガイドの可動部も固着していましたので必要な処置を行います。
動作良好になりました。
テープ速度とアジマス調整を行います。
最後の最後で再びトラブルです。録音テストを行ったところ、右CHのレベルが低いことがわかりました。あれこれといろいろ点検を行った結果、ヘッドの直前までは信号は正常でした。そこで、ヘッドのコネクタを左右入れ替えたところ、不具合も左右入れ替わりました。ということは、ヘッドの不具合ということになります。
2ヘッド機ですので、再生では問題は無い場合、録音も正常と思い込んでいました。ヘッドは入手困難ですので、これ以上は対処不可です。
結局、再生専用機になりましたが、オートリバース機ですので、十分に活用できます。今回は以上です。