1年ほど前に当店をご利用いただいた方から、新たなご依頼をいただきました。
SONYのDTC-ZA5ESです。開閉不良などを抱えています。
イジェクトボタンを押しましたが、少ししか開かないため、すぐに閉まってしまいます。
ヘッドホンVOLにガリがあるということでしたが、特に問題は無いようです。
カバーを開けます。ローディングベルトが見るからに撓んでいます。
SONYのこのベルトが加水分解で伸びているのは初めて見ましたので、過去に交換された可能性があります。新品交換します。
メカを覗き込むと、ピンチローラーが無くなっていることがわかりました。樹脂製の留め具が割れたためと思います。この状況は、この機種と姉妹機のDTC-A8で多発します。
メカを降ろしてカセットホルダーを取り外します。
脱落したピンチローラーは機体内部には見つかりませんでしたので、手持ちのゴムを張り替えたものを取り付けます。
接触不良が起きやすいカートリッジ検出スイッチに接点復活剤を処置します。
ここも重要です。カセットホルダーの可動部が擦れて開閉不良を起こしますので、シリコングリスを処置します。
点検を進めます。底面の基板を取り外します。
モードベルトは消耗品ですので交換します。
ギヤの固着がないことや、リールのブレーキの効きが正常なことを確認します。
本体に戻して動作確認を行います。
モード別、入出力別の録再状況を確認し、修理完了です。