TEACのV-6030Sです。
当店で1年ほど前に販売した機器ですが、テープがよじれて再生開始後10秒ほどで停止してしまうようになったということです。最初はリールモーターの故障を疑いましたが、今回は違いました。
テストを行います。特に問題なく再生しますので、リールモーターは正常のようです。
続いてTDKのCDingMETALの80分です。TDKのメタルテープは、デッキのコンディションに厳しいことで知られています。再生を開始するとテープからチリチリという嫌な音が聞こえます。
テープに傷が付きました。この状況は、テープパスの狂い、ピンチローラーの劣化、またはバックテンションの問題です。ただし、この症状で特徴的なのは、テープの種類によって起きたり起きなかったりすることです。テープ表面の摩擦やヘッド部分のパッドの材質の違いなどが影響していると考えられます。
ちなみに、こういったテープを痛めるといった状況は、この機器のようなSANKYO製のメカ搭載機種のほか、SONYのESモデルでも起こりやすいのでご参考としてください。
カバーを開けてメカを取り出します。
バックテンションベルトは正常のように見えます。
バックテンションが少し強めになるよう調整します。
ベルトも新しいものと交換します。
不具合が発生したテープで動作テストを行います。正常に走行・再生します。
念のため、オーナー様のお持ちの不具合が発生したテープをお送りいただきました。
確かにテープが傷んでいます。
お送りいただいたテープすべてで正常に走行することを確認し、修理完了です。