PIONEER製3ヘッドデュアルキャプスタンカセットデッキ、T-1100Sの修理依頼をいただきました。
早送りや巻き戻しが不調ということです。
トレイは、開くときは正常ですが、閉まるのはゆっくりです。
早送りや巻き戻し時に、アイドラーゴムがスリップする「キー」という嫌な音が鳴り続けます。
カバーを開けました。一度メーカーでの修理歴があるということですが、ケーブルの束ね方が雑です。
フロントパネルを取り外し、メカを取り出します。
オートセレクタの動作に関係するスプリングが外れています。おそらく人為的なミスと思われます。
キャプスタンベルトが伸びています。
モータープレートを取り外します。
伸びたベルトを交換します。径73mmと65mmです。
トレイ開閉の不具合は、このベルトの劣化が原因です。
ユニットを取り外し、ベルトを交換します。
外れていたスプリングを正規な位置に固定します。
化粧パネルを取り外します。
支障となるパーツを分解し、アイドラーを取り出してゴムリングを交換します。
メカを本体に戻して動作確認を行います。
315Hzの信号が記録されたテープを再生し、速度を調整します。
ヘッドアジマスの調整を行います。
オートチューニング後に録再バランス調整を行います。
テープポジションの異なる数種類のテープで録再状況を確認し、修理完了です。